圃場に牛フン堆肥を散布!
☆稲作の準備☆
毎年、田んぼの土壌改良を目的に、牛ふん堆肥を散布します。
牛ふん堆肥は、提携先の「鈴木牧場」さんから購入しています。
【堆肥と水分】
堆肥を仕込む時の水分は、60~70%程度ですが、60度を超す高温発酵によって堆肥の水分が蒸発し、仕上がりの堆肥の水分は40~60%程度になります。
堆肥として取扱い易い水分は、水分が多くて重かったり、汚物感があったり、また、乾燥し過ぎて粉塵が飛び散ったりしない、40~60%程度が良いとされています。
「水分量による堆肥の形状」
水分60%
固まり状になり、払い落としても掌の表面に湿った堆肥がくっついてくる。
水分50%
湿り気を感じ、柔らかい固まり状になるが、払い落とすと掌の表面に多少堆肥がつく。
水分40%
固まり状にならない。払い落とすと掌の表面に殆ど堆肥はくっつかない。やや湿り気を感じる。
【易分解性・難分解性の有機物】
家畜ふんや副資材には、微生物的に分解し易い有機物(易分解性有機物)と分解し難い有機物(難分解性有機物)が含まれます。
堆肥処理は、この易分解性有機物を微生物発酵により消失させ、残った難分解性有機物を堆肥として利用する方法です。
未熟な堆肥には、易分解性有機物が多く含まれています。これを土壌にまくと、土壌中の微生物により急速な分解がおき、作物に様々な障害を与えてしまいます。
【未熟な堆肥による悪影響!】
①微生物が増殖する時に窒素を利用するため、作物に窒素が行かなくなります。
※家畜ふんは窒素分が多いので起きにくい。
②易分解性有機物によって、土壌中の微生物が活性化する際に、病原微生物も活性化すると、作物が病気になる可能性があります。
③微生物が易分解性有機物を分解する時に、土壌中の酸素を消費してしまい、作物の根が呼吸できなくなってしまいます。
④易分解性有機物を分解する際に、微生物作用により有害物質を生産してしまい、これが作物に悪影響を与えます。
【良質な堆肥が出来るまで】
最初の一次発酵で、微生物が匂いの原因になる易分解性有機物を急速に分解します。この分解過程では、60度以上の高温発酵が1ヶ月以上続きます。
この処理によってふん臭などの悪臭成分が消失し、水分が蒸発してサラサラとした状態になります。この状態でも使う時期や作物によっては、肥料成分も多く残っているので散布可能ですが、より扱い易く安全な堆肥にするには、二次発酵を行うことになります。
二次発酵では、一次発酵で易分解性有機物を使い果たしているので、あまり発熱しなくなります。温度が下がるので、働く微生物も変化し、木質などに含まれる分解し難い成分が徐々に分解されて行きます。こうして、腐熟の進んだ良質の堆肥が出来上がります。
作業風景の動画をアップしました。