常陸秋そばのルーツ②
筑西市にある「そば処 朋」さんにお聞きした、そばに関するいろいろなお話を記事にしました。
常陸秋そばのルーツについてのお話し、第2弾です。
常陸秋そばの原々種の栽培から4年目に、そば栽培農家に種が出回ります。「品種を守るために、なぜそこまで行うか」というと、そばは他家受粉の植物なので、交雑し易い特徴があります。農業総合センター(以後センター)でも、虫の行動範囲にあたる半径2~3km周囲の栽培農家には注意をだしているそうです(と言っても、茨城県では99%のそば栽培農家は常陸秋そばを栽培しています)。
センターでは、ブロックごとに番号を付けたそば畑を300枚はど栽培管理しています。葉のつき具合、根の張り方など番号別に管理しています。
そばには「祖先がえり」という突然変異があります。親は持っていないが、それ以前の祖先が持っている形質が現れることで、そばの場合は赤い花が咲くんです。本来、そばの原種・ルーツである中国南部の高原地帯では花は赤く(ややピンク色に近い)咲き、現代のそばとは少し違うようです。
高嶺ルビーといって、信州、伊那高源では栽培しています。
異変のあるそばは、茎ごと引き抜いて除去します。そばの粒についても、大きい粒の種と小さい粒の種ははぶいて やや大きめの粒の種に揃えます。
一般的に、金砂郷・赤土地区のそば栽培農家は「採種農家」なので、営業用としてはめったに出回らないようです。
そばの種用としての契約数が優先され、契約数を上回った収穫量の時に販売されるので、ほんの僅かの数量しか残らないそうです。
そうゆう理由で金砂郷・赤土のそばは貴重品な訳です。また、そうしたシステムが無ければ「常陸秋そば」のブランド化は出来なかったのではないでしょうか。